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お稽古と練習:勝負から調和への道

執筆者の写真: 﨑 秀五郎﨑 秀五郎

練習とお稽古の違い

練習とお稽古—この二つの言葉は似ているようでありながら、その根底には大きな違いがあります。練習は主に家で行われる個々の努力です。これは技術の磨き方、自分自身との対話であり、個人的な成長に重要です。

一方で、「稽古」は歴史と伝統、そして師匠からの教えを受け継ぐ行為です。お稽古は師匠のもとで行い、その知識と経験に触れながら、深い洞察や理解を積み上げていきます。

勝負ではなく調和

お稽古も発表会も、多くの人が勝負の場と誤解しがちですが、真の目的は「調和」にあります。お稽古は自分自身、同門の仲間、そして師匠との調和を学ぶ場です。発表会もまた、聴衆と演奏者が一体となり、美しい調和を奏でる場所です。

「稽古」の本来の意味

"稽古"という言葉には、「時を稽(かんが)み、古を求める」という意味があります。これは単に技術を習得するだけでなく、その背後にある哲学や精神性、歴史を尊重し理解するプロセスを意味します。

両方が大切である理由

練習が個人的な技術やスキルの向上に重要であるように、お稽古はその技術に深い意味と目的を与えてくれます。練習は「如何に」という問いに答え、お稽古は「何故」に答えを出してくれます。

結び

練習とお稽古、これら二つは三味線の世界において、そして人生においても、欠かせない要素です。どちらも行いながら、常に「調和」を目指しましょう。それが真の技術と心の成長への道です。

 
 
 

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