top of page

演奏とは勝負ではなく、調和

演奏とは勝負ではなく、調和

最近、お稽古を通じて、伴奏楽器の指導者として何を指導すべきかを考える時があります。


私は民謡、端唄の三味線演奏家ですが、多くの人が三味線のテクニックや音色に魅了され、プロフェッショナルからアマチュアまで、様々な層がこの美しい楽器を演奏しています。

しかし、コンクールは別として、演奏会や発表会は単に技術的な優越性を競う場ではありません。

いつもお弟子さんには、"演奏とは勝負ではなく、調和" を大事にするように伝えています。


技術と心

演奏は確かにテクニックが要りますが、それ以上に心が大切です。初心者が高度なテクニックを持つプロフェッショナルと比較することは容易ですが、そのような比較はあまり意味をなさないものです。なぜなら、優れた演奏とはテクニックだけではなく、その背後にある情熱や意味、そして聴衆とのコミュニケーションによって成り立っているからです。

調和の精神

三味線音楽はしばしばアンサンブルで演奏されます。このとき重要なのは、各楽器がどれだけうまく調和できるか、という点です。一人の演奏者が突出しても、全体のバランスが崩れてしまいます。そのため、演奏者同士の信頼とリスペクトが不可欠です。この調和の精神は、単なる音楽的な調和だけでなく、唄の伴奏をするうえでの調和にも通じるものがあります。


演奏が素晴しい理由のひとつとして、お互いの演奏を尊重し合い、美しい調和を生み出していること。

それは技術的な競争ではなく、心の通った調和によるものです。

最後に

技術的な勝負を超えたところに、音楽の魅力があります。それは、人と人とが繋がり、共感を生む空間です。そして、その最中で初めて、真に価値ある音楽が生まれると私は思います。

いつも三味線を手にするときは、単なる技術的な高低ではなく、どれだけ心を込めて調和の中で演奏できるかを考えてみる事。それが、心ある伴奏や演奏につながると信じています。

閲覧数:53回0件のコメント

最新記事

すべて表示

嗜む 京橋にて

「嗜む」 この度、私にとっても、皆様にとっても特別な機会となるでしょうイベントへの出演が決定いたしました。このイベントは、東京、京橋駅にあります「京橋エドグランオフィスラウンジ」で行われ、芸術と文化の素晴らしさを再発見する機会を提供しています。 このイベントは、芸術家、文化人、そして多様な分野の専門家が一堂に会し、その才能と情熱を分かち合う場です。私もその一人として、特別なパフォーマンスを披露させ

ご挨拶

新年あけましておめでとうございます。私、﨑秀五郎は、三味線演奏家として、今年も皆様に音楽の素晴らしさを伝えていきたいと思います。昨年は多くの人々が新たな挑戦をした一年であり、私自身も伝統楽器である三味線を通して新しい音楽の形を模索しました。 辰年にちなみ、三味線の演奏においても「龍」のように力強く、そして時には優雅に舞う姿をイメージし、音楽に表現を加えたいと考えています。辰年は龍の年とされ、日本の

早くも11月ですね。

今年も残りわずかとなりました。 古来、我々の芸事の世界には、「暦の上(かみ)では12月、下(しも)では1月」という伝統があります。この言葉は、古い太陰暦の流れと芸事の実際の繁忙期、門下の昇進や名跡の継承の習慣などから生まれたものです。 以下は、この伝統の背景を説明します 1. 古来の暦の流れ:古くは、日本の暦は太陰暦(月の動きに基づく暦)を使用していました。この暦では、1年の始まりが現在の2月頃と

bottom of page