節分ですね。
節目に際して皆さんにメッセージさせていただきます。
全国にいる門弟の皆さんで指導をされている先生や指導を目指す方が大変多く、指導に際して私が大切にしていることを書いてみました。
お稽古をする中で、私は「わかってないから教える」のではなく、「知っててほしいことを伝える」ことを大切にしています。
「わかってないから教える」という姿勢では、相手を知らない前提で接することになりがちです。
それでは、教えられる側が委縮したり、「できていない」と責められているように感じることもあるでしょう。
一方で、「知っててほしいことを伝える」という姿勢は、相手の経験や努力を認めたうえで、より深い理解へと導くものです。
「あなたに知っていてほしい」「これを知ることで、もっと楽しめる」という気持ちを込めて伝えれば、お稽古も前向きなものになります。
端唄や三味線の世界では、ただ技術を習得するだけでなく、その背景にある文化や美意識も大切にしてほしいと思っています。
それを伝える際に、上から押しつけるのではなく、「一緒に感じ、学び、深めていく」という姿勢で臨むことが、私の指導の基本です。
お稽古とは、師匠が一方的に知識を与える場ではなく、共に成長する場です。
これからも、生徒一人ひとりの個性や歩みを大切にしながら、伝え続けていきたいと思います。
また、演奏や歌唱も同じ思いで臨むことが大切です。
ただ音を奏でるのではなく、その背後にある感情や物語を大切にしながら演奏することで、聴く人の心に響くものになるのではないでしょうか。
演ずる側が、心を込めて一音一音を大切にすることで、より豊かな音楽が生まれるのだと思います。
ありがとうございます。